4月22日東京12R 吉田豊の騎乗に対する意見を見て思ったこと

吉田豊は激怒した

 

 

栗東所属にも関わらず、東京で勝ち星を量産するルメールを除かなければならぬと決意した

 
 
 
土曜東京12R、ルメールは外を回って差してくる
 
 
 
内でロスなくレースを運んだ吉田豊は、直線半ばでマユキが内ラチ沿いに寄って帰宅するのを虎視眈々と待っていた
 
 
 
しかし、マユキがなかなか帰らない
 
 
 
そのとき、吉田豊は思った
 
 
 
ヨシトミ、此奴まさか伝統芸か?
 
 
 
これでは外から脚を伸ばすディープジュエリーに差し遅れる
 
 
 
そのとき、左後方から足音が近づいてくるのがわかった
 
 
 
「どっどど どどうど どどうど どどう」
 
 
 
馬の足音?
 
 
 
否、これは宮沢賢治『風の又三郎』の書き出しだ
 
 
 
ハッとしたときにはもう遅かった
 
 
 
直線で最内をぶち抜いてきたのはルメールだったのだ
 
 
ああ、あなたは気が狂ったか。それでは、うんと走るがいい。ひょっとしたら、間に合わぬものでもない。走るがいい。
(『走れメロス』より)
 
 
 
今回の吉田豊の騎乗について各所でああだこうだ言われてて思うのは、この騎乗に限らずなんだけど、レース中継のカメラでレース全体を見下ろしてるから気づくだけで乗ってる方はそんなの気づかんだろといったアレ
 
 
球技のスポーツ選手が言う「ゾーンに入ってる状態」ってあるじゃないですか
幽体離脱してフィールド全体を上から見てるような感覚になるから自分からはあまり見えないボールに対してもどう動けばいいのかがわかる的な
 
 
レースの中継映像を見てる人は常にこの「ゾーンに入ってる状態」でレースを見てるわけで、だけど騎手は馬上から180度弱のアングルしか基本は見えないんだからそりゃわからんよなといった感じ
 
 
クソ騎乗に対して「家燃やすぞ」とか「そのまま馬乗って家まで帰れ」は言ってもいいけど、たまに「YO!YO!今から刻む俺のビート!!いいかよく聞け俺の騎乗論!!何も考えてないお前以上の!!」的な勢いで俺の方が詳しいぞ俺だったらこう乗る的な意見を言う人がいてアレだよなあというアレ
 
 
ろくに野球やったことないけど毎試合見てて知識だけはやたらとあるが故に頭でっかちな現実味のないプレーの指摘をする人に対して野球経験者が「ああ、この人野球やったことないんだろな」と聞き流すのと同様に、騎手もレースに乗ったことのない人の意見は聞き流してるだろうし、わざわざ聞いてたらやってらんないよなと思った話でした